大本眞基子のプロフィール Wikipedia(ウィキペディア)
大本 眞基子(おおもと まきこ、1973年2月1日 - )は、日本の女性声優。岡山県倉敷市出身。フリー。國學院大學大学院在学中。
代表作に、『星のカービィシリーズ』(カービィ)、『コレクター・ユイ』(春日結)、『ゾイド -ZOIDS-』(フィーネ・エレシーヌ・リネ)、『クレヨンしんちゃん』(ミッチー〈2代目〉)、『戦国無双シリーズ』(稲姫)、『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生』(舞園さやか)、『ファイアーエムブレム ヒーローズ』(リン)などがある。
就実高等学校卒業後、嵯峨美術短期大学に入学。短大卒業後、声優を目指して上京し、青二塾に入塾。青二塾東京校14期卒業後、青二プロダクションに所属。
1994年8月、『ストリートファイターII MOVIE』の「電話の声」役で、声優デビュー。
1997年2月、『キューティーハニーF』の「秋夏子」役で、テレビアニメ初レギュラー。
1999年1月、『ニンテンドウオールスター! 大乱闘スマッシュブラザーズ』より、カービィ役を担当。
1999年4月、『コレクター・ユイ』の春日結役でテレビアニメ初主演。
2004年6月、『クレヨンしんちゃん』第503話から、前任の草地章江に代わって「鳩ヶ谷ミッチー」役を担当。
2008年7月24日をもって青二プロダクションを退所し、フリーで活動。
2009年6月、絵本『ぼくの旅』を自費出版。
2012年10月、13世紀の詩人、ジャラール・ウッディーン・ルーミー作詩の朗読CD『ただひとつの息吹 -Only Breath-』発売。
2017年12月、埼玉県八潮市応援大使に就任。
2018年2月1日よりアトミックモンキーに所属。
2020年3月15日、虫垂炎により緊急手術を受けたことを報告。
2020年、國學院大學に入学。
2022年6月1日、5月31日をもってアトミックモンキーを離れ、フリーで活動することを発表。
人物
得意な役柄として、天然キャラ(男女問わず)や頭の良い男の子、天才少年を挙げている。『仰天人間バトシーラー』ではメインキャラを含み、10役以上を演じ分け、自キャラ同士の会話を行う場面もこなした。
演じるにあたって苦労した役に『サイボーグクロちゃん』のマタタビを挙げており、同作品の音響監督の松浦典良に「君はもっと低い声のポテンシャルがあるはず」と指導を受けながら演じていたという。また、松浦とは後に主演した『星のカービィ』でも現場を共にしている。
今まで演じた自身の最も高い声の役に星のカービィシリーズのカービィ、最も低い声の役に『サイボーグクロちゃん』のマタタビを挙げている。
今まで演じたキャラクターで最も印象に残ってるキャラクターとして、『高橋留美子劇場 人魚の森』の真人と『陰陽大戦記』のウツホを挙げている。前者は外見と性格のギャップ、後者は外見と年齢のギャップを理由として挙げており、他にラストボスを務めた役が印象に残っているという。
趣味は、イラストを描くこと、美術館めぐり、瞑想、歌を歌うことであり、特技は、書道八段、歌を歌うこと、般若心経暗唱である。ペルー旅行と修験道の経験を通じて日本文化のルーツや日本人の精神性に興味を持ち、國學院大學神道文化学部へ進学するきっかけとなった。
シャーロック・ホームズシリーズ、司馬遼太郎の『国盗り物語』、中原中也、谷川俊太郎、宮沢賢治の文学作品、ZABADAK、宮下富実夫の音楽、ピンク、ウグイス色、プレーンブルーの色を好きなもの、好きでないものとして偏見、先入観を挙げている。
水木しげるの作品のファンである。
好きな俳優として、里見浩太郎、丹波哲郎、ジェレミー・ブレット、ロビン・ウィリアムズ 、トム・ハンクス、ハーレイ・ジョエル・オスメントを挙げている。
好きなテレビアニメは、『超人ロック』、『ストップ!! ひばりくん!』、『銀河英雄伝説』などであり、ゲームは『ファイナルファンタジーIV』が好きであり、漫画は山下和美の作品が好きである。
『爆走兄弟レッツ&ゴー!!MAX』で共演した渡辺久美子や野田順子、『キューティーハニーF』で共演した永野愛、『天使な小生意気』で共演した林原めぐみ、『出ましたっ!パワパフガールズZ』で共演した宮原永海、シルバニアファミリーで共演した水落幸子などと仲がよい。友達には、まきちゃん、マッキー、おおもっちゃん、おーもとくんなどと呼ばれている。
エピソード
歌手のMISIA、美空ひばり、宇多田ヒカル、俳優兼ナレーターの森本レオなどが持つとされる1/fゆらぎ波長の声が出せる。
青二塾東京校の同期に稲田徹、神谷浩史、鈴木麻里子、丹下桜、豊嶋真千子がいる。
1990年代後半に、千葉繁主宰の劇団『バーストマン』(現在は解散)に所属し、活動していた。
1999年から毎年、埼玉県八潮市の『青少年アニメ・アフレコ体験講座』の講師を務めている。
2004年から公式サイト『HORSE & HATOOK!!』を大本自身で運営していたが、2008年7月24日のフリーになった日にパソコンが壊れ、ホームページビルダーを失くしてしまったために更新停止となった。その後、同年9月14日から新たに公式ブログ『ホース&ハトック ∞- 無限大-』を開設した。また、2010年4月から声優の野田順子、水落幸子、山下亜矢香らに勧められ、twitterを始めた。
実家がブライダル業であるため、結婚式場のプロデュースに携わったことがあり、「唯一美大卒が役に立った仕事」と語っている。
結婚式場以外にカフェ・レストランのプロデュースにも携わっており、岡山・倉敷市内において2017年12月に「Cafe Seed of Life」、2020年10月に「Nature」、2021年10月に「Cafe Cascade」をそれぞれオープンさせた。Natureがローカル情報番組『ミルンへカモン! なんしょん?』で取り上げられた際は、「声優以外にも仕事ができてありがたい」と答えている。
2023年1月、公式ブログにて大学在学中であることを明かし、のちに大学名は國學院大學神道文化学部であることを明かした。美術短大卒業であるが、3年編入を選択せずに4年間通い、神職資格を取得して2024年3月に卒業。4月からは大学院に進む。
幼少時代から言葉で表せないものを表現するのが好きだったため、暇さえあれば絵を描いていたが、中学2年生の時に声優という職業を知り、「これだ!」と思ったという。声の仕事は、年齢や性別に縛られることなく幅広い表現を可能にし、あるときは「顔出しの演技」以上に様々な疑似体験を可能にし、精神的な表現の限界に挑戦することができるということに、とても大きな可能性を感じたことにより、声優を志した。
高校は、放送文化部目当てで就実高等学校(全国総合文化祭放送部門で1・2・3位を独占するほどの強豪校である上、NHKのアナウンサーの直接指導が受けられ、OB・OGにアナウンサーを輩出する実績のある部であった)に進学した。また、高校では美大受験のために掛け持ちで美術部にも所属していた。大学では、演劇部と漫研に所属していた。
役者になることは決めていたが、「東京に出たら勘当する」と言われていたため、1クッション置くために、元々絵を描くのが好きだったことから、美大の嵯峨美術短期大学へ進学した。本人曰くこれが「まんまと家を出る口実」となり、その卒業後に上京した。
コンピュータゲームシリーズおよびそれを原作としたアニメ『星のカービィ』の主人公・カービィの役は海外版もすべて大本が演じている。また『星のカービィ』の原作者(現在は開発元を退社)であるゲームデザイナーの桜井政博と交流があり、桜井の主催するイベントに呼ばれたりもしている。
カービィの声は『ニンテンドウオールスター! 大乱闘スマッシュブラザーズ』で初めてつき、その声はオーディションで『星のカービィ』の原作者(現在は開発元のハル研究所を退社)であるゲームデザイナーの桜井政博が決めた。その決め手はナチュラルボイスであった。同作品に出演するネスも、同オーディションで決まった。
アニメ版『星のカービィ』のカービィは「プレイヤーによってイメージが異なるカービィに固定的イメージを持たせないように」という考えから殆ど喋らない設定だが、最終回のアフレコ時にナイトメアに攫われたフームをカービィが追いかけるシーンでは大本がアドリブで「フーム!」と叫んだ。このアドリブは「すごく良かったんだけど、名前を呼んでしまうと演出的に意味を持たせてしまうから」とカットされたという。監修の桜井政博はこれについて「なんらかの形でアニメカービィを続けたいと監督やスタッフが願っているからではなかろうか」と解釈していた(桜井は普段は言葉を話さないカービィが意思を持って言葉を発する、という「カービィの精神的成長」というテーマを放送開始時より検討していたという)。
『ゾイド -ZOIDS-』のフィーネ・エレシーヌ・リネは、他の役とは異なり、人と会話する時になるべく相手と掛け合わないように独り言になるように意識して演じていた。
戦国無双シリーズの稲姫は、透明感を意識し、凛としているが、粗野にはならないように、女っぽくも男っぽくもなりすぎないように、少し中性的なイメージで演じている。また、稲姫を演じる上で、稲姫を知るために森雅裕の『化粧槍とんぼ切り』を読み、役作りのヒントにした。
『陰陽大戦記』のウツホは、すでに登場していた消雪のタンカムイの回の収録終わりに、現場のスタッフに「ちょっと残って」と言われ、怒られるのかな?と思ったが、そこでウツホ役の話をもらい、担当することになった。
『ドラえもん (2005年のテレビアニメ)』のキャストの一新に伴うオーディションで野比のび太役を受け、最終オーディションまで残っていた。
『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生』の舞園さやかは、ボイスサンプルを新しくするために収録に行ったスタジオで、偶然本作品のオーディションをしており、「良かったら受けていかれませんか?」と誘われてオーディションを受けたところ、起用が決まった。
『新・光神話 パルテナの鏡』の自然王ナチュレは、本作のディレクターである桜井政博がカービィ関連の縁でゲーム開発段階における仮音声全キャラクター分を大本に頼み、キャストを正式に決めることとなった際にオーディションは行ったものの大本の音声以上にしっくりくるものがなく、そのまま本採用になったという経緯がある。
『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生 THE ANIMATION』の舞園さやかのキャラクターソングである『ネガイゴトアンサンブル』は、「舞園ちゃんのすべての想いが詰まった「アイドル」という仕事」であるため、「彼女(舞園さやか)が一番表現したかったんじゃないかな?と思う「希望」とか「元気」が伝わればいいな」と思いながら歌った。また、『モノクローム・アンサー』は、「苗木君への想いや内面の表現」を意識して歌った。
『星のカービィ トリプルデラックス』のクィン・セクトニアは、「高貴で、気高くて、でも少し狂気を孕んだ物悲しさ」を意識して演じた。