林周二のプロフィール Wikipedia(ウィキペディア)
林 周二(はやし しゅうじ、1926年3月25日 - 2021年6月7日)は、日本の商学者、経営学者、統計学者。東京大学名誉教授、静岡県立大学名誉教授。
東京大学教養学部教授、静岡県立大学経営情報学部教授、同学部長(初代)、明治学院大学経済学部教授、流通科学大学特別教授などを歴任した。
東京に生まれる。福岡県中学修猷館、旧制福岡高等学校を経て、1948年、東京大学経済学部商業学科(現・経営学科)を卒業後、東京大学大学院経済学研究科特別研究生を修了する。
東京大学教養学部において、1953年、講師、1955年、助教授、1966年、教授を歴任する。1986年に東京大学を定年退官後、1987年、静岡県立大学に移り、新設された経営情報学部の初代学部長に就任する。その後、明治学院大学経済学部教授を経て、招かれて流通科学大学特別教授に就任する。
一方で、中央省庁の審議会の委員や、日本国有鉄道の顧問に就任するなど、各種公職も歴任している。
2021年6月7日 - 老衰のため死去。95歳没。死没日をもって正四位に叙され、瑞宝中綬章を追贈される。
研究
専門は経営学であり、特に流通論や統計学に関する研究を行った。旺盛な著作活動で知られ、流通論や統計学に関する学術書を多数上梓している。さらに高等学校の教科書の執筆も行った。
日本経済における流通の重要性を早くから学問的に指摘した1人であり、1950年代から、推計統計学を駆使した科学的なマーケティングリサーチの手法の有用性と必要性を提唱している。1970年代後半からは、経営組織論、経営管理論、情報管理論へと関心を拡大し、日本の経営が直面する理念的問題について論じた。
特に、中央公論社から中公新書として出版した『流通革命――製品・経路および消費者』は、1960年代のベストセラーの一つとなった予言書である。大丸最高経営責任者、J.フロント リテイリング社長を歴任した奥田務は、学生時代にこの本に感銘を受け、大丸への就職を決意したとされる。経営学者の小川孔輔は、大学生の頃にこの本を読んで感銘を受け、大学院進学を決意したとされる。
委員
1964年 - 港湾審議会委員。
1970年 - 運輸政策審議会委員。日本国有鉄道顧問。
1976年 - 商品取引所審議会委員。
1986年 - 統計審議会委員。
1987年 - 静岡県立大学経営情報学部学部長。
1990年 - 産業構造審議会委員。