ら行(らぎょう) |Wiki【もしもし辞書】
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ら行
ら行(らぎょう)とは、日本語の五十音図における9番目の行である。仮名「ら」「り」「る」「れ」「ろ」が含まれる。どの仮名も子音と母音から成る音節またはモーラを表す。 ら行・りゃ行の音の頭子音はいずれも有声音であり、清音・濁音の区別は存在しない。ら行音の頭子音の音素(通常 /r/ と書かれる)は、聴覚印象により流音に分類されることがある。頭子音の音声学上の実際の発音は、「り」を除く「ら」行音の場合は一般的に、語頭や撥音(ん)の後では歯茎側面はじき音 [ɺ] 、そり舌側面接近音 [ɭ] または有声そり舌破裂音 [ɖ] に発音され、撥音(ん)の後を除く語中・語尾では歯茎はじき音 [ɾ] またはそり舌はじき音 [ɽ] に発音される。 「り」の場合は、他の「ら」行音に比較して頭子音が硬口蓋化するため、語頭や撥音(ん)の後では歯茎硬口蓋側面はじき音 [ɺ̻̠ʲ] 、硬口蓋側面接近音 [ʎ] または有声硬口蓋破裂音 [ɟ] に発音され、撥音(ん)の後を除く語中・語尾では歯茎硬口蓋はじき音 [ɾ̻̠ʲ] または硬口蓋はじき音 [ɟ̆] に発音される。 ら行のローマ字表記は日本式・ヘボン式ともに ra ri ru re roである。 「り」を第1字とする開拗音は「りゃ」「りゅ」「りょ」である。りゃ行の頭子音の音素は「り」と同じであり、語頭や撥音(ん)の後では歯茎硬口蓋側面はじき音 [ɺ̻̠ʲ] 、硬口蓋側面接近音 [ʎ] または有声硬口蓋破裂音 [ɟ] で発音され、それ以外では歯茎硬口蓋はじき音 [ɾ̻̠ʲ] または硬口蓋はじき音 [ɟ̆] となる。 りゃ行のローマ字表記は日本式・ヘボン式ともに rya ryu ryo である。 もともと日本語には「ら行」で始まる単語がほとんど無かったと考えられ、時代を経るに連れアイヌ語や「/r/音」始まりが比較的多い漢語(中国語)を始めとする外国語から「ら行」に繋がる音素をもつ語が流入し続けることで「ら行」の語が増えていったとみられるが、それでも未だに少ない。 日本語において「ら行」音で始まる単語は、ほぼ全てが以下のいずれかに該当する。
「りーん」や、気分が浮き立っている時の鼻歌を表す「るんるん」など、少数の擬音語。 アイヌ語と漢語を始めとする外国語に由来する語。 るつぼ 即ち付属語・擬音語以外の和語で「ら行」音で始まるものは、殆ど存在しない。これは、確認し得る最も古い日本語(上古日本語)の時代からの極めて古い特徴である。また、朝鮮語やアルタイ諸語(トルコ語・モンゴル語・満州語など)に共通する特徴でもあり、これを一種の地域特徴として捉えたり、言語の系統論に関連づけようとする試みもある。 この語は明治時代以前には見られない語であり、和語と外国語のいずれに由来があったとしても経歴的に異色である。皮膚が滑らかで肌触りが毛織物のラシャに似ていることからそのように呼ばれ始めたとする説が有力ではあるが、「鰓(えら)の目立つ、フカ(鱶。大型サメ類の俗称)」を意する「エラブカ」から語頭音が落ちたものとする異説もある。
エラブカ説の語構成[ ja: 羅鱶(当て字)< ラブカ(生物の和名の一つ) < エラブカ(含意:鰓の目立つ鱶)< エラ(鰓)+ フカ(鱶) ] 「ら行」で始まる日本の元号は「霊亀」「暦仁」「暦応」「令和」の4例しかなく、非常に珍しいものとなっている。2019年(平成31年)5月1日に行われた改元では新元号が「令和」になったが、これは「暦応」以来680年ぶりの「ら行」始まりの元号であった。 語頭や撥音の後かそれ以外かで、発音の表記が大きく異なる。いずれも有声音であり、清音・濁音の区別が存在しない。 ^ 字引:“るんるん”. コトバンク. 2020年4月12日閲覧。 ^ 青森県八戸市にある「ルイケ(類家)」(江戸時代における陸奥国三戸郡類家村、幕藩体制下の奥州八戸藩知行類家村)を挙げる資料もあるが、典拠不明である。 ^ 小学館『デジタル大辞泉』、小学館『精選版 日本国語大辞典』. “ら行”. コトバンク. 2020年4月12日閲覧。 ^ 北海道庁 アイヌ政策推進局 アイヌ政策課 (OAMP) (2018年4月4日更新). “アイヌ語地名リスト”. 公式ウェブサイト. 北海道. 2020年4月12日閲覧。 ^ 北海道庁 アイヌ政策推進局 アイヌ政策課 (OAMP) (2018年4月4日更新). “モク~リ - アイヌ語地名リスト” (PDF). 公式ウェブサイト. 北海道. 2020年4月12日閲覧。 ^ 北海道庁 アイヌ政策推進局 アイヌ政策課 (OAMP) (2018年4月4日更新). “ル~ワ - アイヌ語地名リスト” (PDF). 公式ウェブサイト. 北海道. 2020年4月12日閲覧。 ^ 更科源蔵・更科光 1976, pp. 447–448. ^ 日立デジタル平凡社『世界大百科事典』第2版. “羅鱶”. コトバンク. 2020年4月12日閲覧。 ^ 『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』. “ラシャ”. コトバンク. 2020年4月12日閲覧。 ^ “鱶”. コトバンク. 2020年4月11日閲覧。 更科源蔵、更科光『コタン生物記〈2〉野獣・海獣・魚族篇』法政大学出版局、1976年。ASIN B000J9WHHQ。
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