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情報
情報(じょうほう、英語: information、ラテン語: informatio)とは あるものごとの内容や事情についての知らせのこと。 文字・数字などの記号やシンボルの媒体によって伝達され、受け手において、状況に対する知識をもたらしたり、適切な判断を助けたりするもののこと。 生体が働くために用いられている指令や信号のこと。 (情報理論(通信理論)での用法)価値判断を除いて、量的な存在としてとらえたそれ 情報とは何かという問いに、ただひとつの答えを与えることは困難である。 対応する英語の "information" は、informの名詞形であり、(心において)form(形)を与える、といった意味があり、語源としてはラテン語のinformationem(=心・精神に形を与える)、さらに語源を遡れば、ギリシャ語のeidosという語にも遡り、プラトンによるideaイデア論における用法にも遡ることができる。 情報という用語は、informationは歴史的に見ると哲学的な意味を継承している。が、近代では、1の意味の、事象、事物、過程、事実などの対象について知りえたこと、つまり「知らせ」の意味で広く使われてきた。20世紀、1940年代までの日常言語では、情報が諜報と近い意味と見なされ、なんらかの価値あることを知ったとき「情報を得た」といったように用いていた。《価値》と結びつけられたものを《情報》としていたわけである。 1の意味での情報は「情報を交換する」「情報を流す」「情報が漏れる」「極秘情報」などのように用いられている。 2の意味の情報は、「情報時代」「情報社会」のように用いられている。 3の意味での情報は、生体の神経系のそれや、内分泌系のホルモン情報などの生体シグナルの他にも、遺伝子に保持されているそれ、あるいは生命が生きる過程で遺伝子や細胞内に新たに書き加えられたり書きかえられたりするそれで、他にも環境中の光や音、生命に影響を与えうるあらゆるものを「情報」とみなすことができる。 情報という概念は、生命、心、知識、意味、パターン、知覚、知識表現、教育、通信、コミュニケーション、制御、等々の概念と密接に関連しているのである。 以上のように混沌とした語られかたをするものではあるがまた一方で、情報理論に依って、意味との対応付けを完全に外部化し、シンボルを並べた列であり情報量として量られるものが情報である。と、捨象してしまう考え方もまたある。これは、たとえるならば、自動車エンジンについて技術的工学的な進歩があった結果、科学的理論的にエントロピーなどといった形に理論的抽象的に整理され、逆にその理論の側から技術的工学的な側にアプローチがされるようになったものと似ている、と言えるかもしれない。しかし、「通信技術、コンピュータ、自動制御装置等々が開発されたことによって、この意味での《情報》という概念が新たに形成されたのである」などといった記述が見られることもあるようだが、『通信の数学的理論』が書かれたのは1940年代後半であり、通信こそ発展していたが「コンピュータ、自動制御装置等々が開発」よりも前のことで(最初期のコンピュータは誕生していたが、情報理論の誕生を促すような直接の関連があったとは言いにくい)、少なくとも科学史的にはそのような記述は何かを誤解しているものと思われる。 日本語の単語の「情報」日本語の「情報」は1876年(明治9年)に出版された『佛國歩兵陣中要務實地演習軌典』において、仏語 renseignement (案内、情報)の訳語として「敵情を報知する」意味で用いられたのが最初である。英語intelligenceの意味での「情報」の語の使用は、外務省国際情報統括官組織や防衛省情報本部などの情報機関に、現在でも見られる。 informationの訳としては、19世紀にはまだ情報という語をあてることはされていない。たとえば、1879年(明治12年)刊『民情一新』で、福澤諭吉はinformationの社会的影響について論じたが、当時、日本語に対応する訳語が存在せず「インフォルメーション」(59ページ最終行)と仮名書きしている。 ただしこの間ずっと、intelligenceの意味でしか使われていなかった、とする主張は事実誤認とみてよい。実際により広い意味で「情報」の語が使われている例もあり、たとえば1940年(昭和15年)発足の組織の名前「情報局」(いわゆる内閣情報局)がある。また、太平洋戦争以前に現在とほぼ同様の感覚で「情報」の語が使われているのを、たとえば海野十三の作品中などに見ることができる。 詳細については、情報処理学会創立45周年記念として、同学会の学会誌『情報処理』に寄稿・掲載された、「情報という言葉を尋ねて」(1)~(3)によいまとめがある。 生命と情報冒頭に説明したように、生命に関わる情報としては、神経系のそれや、内分泌系のホルモン情報(身体の中で細胞同士が、神経システムを用いずに、微量物質によっておこなっている、直にやりとりしているそれ)、遺伝子に保持されているそれ、あるいは生命が生きる過程で遺伝子や細胞内に新たに書き加えられたり書きかえられたりするそれが挙げられる。他にも環境中の光や音、生命に影響を与えうるあらゆるものを「情報」とみなすことができる。DNAやRNAが持っている情報をリボソームなどが翻訳し、タンパク質が合成される。 脳の中で発生する意識も、脳器官ごとの情報処理が統合されて発生しているものだと考えられている。(意識に相関する脳活動)(統合情報理論) 一部の人は「情報は、生物や有機的システムへの入力」と限定的に解釈する場合がある。さらにDusenberyは入力を2つに分類して考えた。ある種の入力はその生物(例えば、食物)やシステム(例えば、エネルギー)が機能を維持するのに重要な役割を果たす。Dusenberyは著書Sensory Ecology(1992)の中でそのような入力を「原因入力 (causal input)」 と称した。他の入力(情報)は原因入力との関連性においてのみ重要であり、将来、いつどこで原因入力が得られるのかを予測する役に立つ。一部の情報は他の情報との関連において重要だが、最終的には原因入力との関連がなければ意味がない、という。実際、情報は通常 弱い刺激として何らかの感覚システムで検出され、エネルギー入力によって増幅されてから生物や装置にとって意味のあるものになる。例えば、植物にとって光は原因入力であることが多いが、動物にとっても情報を提供する。花の反射する特定の色の光は光合成を行うには弱すぎるが、ミツバチの視覚はその光を検出し、蜜や花粉という原因入力を見つけるのに使う。植物側から見れば、そのような情報を発信することでミツバチを引き寄せ、受粉を手伝わせるという意味がある。 |
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